オレゴン研究所(Oregon Research Institute)のチームは、米オレゴン(Oregon)州の4都市でパーキンソン病患者195人を対象とした無作為研究を行った。被験者は太極拳、筋トレ、ストレッチを行う3つのグループに分けられ、それぞれ該当する運動を週2回60分、6か月間行った。
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その結果、バランステストと歩行時の歩幅において、太極拳のグループは他の運動グループを上回った。転倒の回数についても、太極拳グループはストレッチのグループより少なかった。筋トレのグループと太極拳グループの転倒回数は、ほぼ同じだった。
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「この結果は臨床的に極めて重要だ。現在の理学療法に太極拳を加えることで、パーキンソン病の主要な症状のいくつかに対処できる可能性が示されたからだ」と、論文主筆者の李甫中(Li Fuzhong)氏は指摘する。特にバランスや歩幅で向上がみられたことは、こうした身体機能の衰えを伴う患者のリハビリに、太極拳を基本とした動作を取り入れることの有効性を示していると、李氏は言う。
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太極拳は、緩やかで柔らかな動作を連続して行う中国武術を基とした健康法で、深い呼吸とリラックスを伴う。儒教や仏教に由来する陰陽思想を根底とし、人間の健康も陰陽の調和によってもたらされると考える。陰陽の均衡が崩れると体調を崩すが、太極拳でこの不均衡を整えることで健康を保てるという。
パーキンソン病は、運動機能に関連した脳内物質が減少する進行性の病気で、手足のふるえや筋肉のこわばり、バランス感覚の欠如などの症状を伴う。50歳以上で発症することが多いが、若いときに発症する例もある。
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