2012年4月12日木曜日

Luekemia


1999- 5- 6初版、1999- 5-15追記、2005-6-25追記

遺伝子とかHLAに関してはこちら(99/10/9) お注射のコツ(99/10/9)

#素人が本を読みあさって書いているので、間違いがあったら教えてください。

参考文献

「白血病を治す ここまで進んだガン治療」 講談社ブルーバックス 奈良信雄著 780円

「がん 自分で選び、決定するために」 保健同人社 アメリカがん協会編 細谷亮太監訳 3,500円

「白血病治療マニュアル」 南江堂 大野竜三、小寺良尚編集 7,000円

「癒す心、治す力」 角川ソフィア文庫 アンドルー・ワイル著 上野圭一訳 800円 

「遺伝子診断でなにができるか」 講談社ブルーバックス 奈良信雄著 860円

白血病の歴史

 古代ギリシャの時代に、すでに白血病の存在が記載されているそうです。しかし、白血病がひとつの疾患として認識されるようになったのは、19世紀になってからのことです。

 1827年、ヴェルポーという人が初めて白血病と思われる人について正確な記録をしたのだそうです。腹部の大きな腫瘤、発熱、倦怠感などを訴えた 63歳の男性で、この患者は間もなく死亡したそうです。剖検してみると、肝臓と脾臓が大きく腫れており、血液は、赤ブドウ酒の酵母菌に似た、黒みがかかっ た膿汁のようだと表現されています。

 1839年には、ドンネという人が、脾臓が大きく腫れた44歳の患者について、血球の半分以上が白い血球であると発表したそうです。当時は、白血病はガンというより、血液の化膿した病気で、それは脾臓の病変と関係があるを考えられていたようです。

 「白い血の病気」という言葉を使ったのは、ドイツのルドルフ・ウィルヒョウで、1845年のことでした。Weisses Blut (ドイツ語で白い血)という言葉で発表されました。彼は、この病気は血液の化膿とは考えませんでした。そして彼は1849年に、Leukaemia(ドイツ語で白血病)という言葉を使い始め、これが今日でも使われています。

白血病って何?

 白血病細胞とよばれる血液の腫瘍細胞があたりかまわず増え続け、正常の造血機構を障害する病気のことを「白血病」と言います。「血液のガン」といわれるゆえんです。そして、一口に白血病といっても、いくつかのタイプがあります。まず大きく分けて「急性白血病」と「慢性白血病」とに分類されます。急性白血病はさらに、「急性骨髄性白血病(AML: Acute Myeloid Leukemia)」と「急性リンパ性白血病(ALL: Acute Lymphoblastic Leukemia)」に分けられます。

○急性骨髄性白血病(AML): 白血病細胞が、好中球のもっとも幼若な形の骨髄芽球に似ている。
○急性リンパ性白血病(ALL):白血病細胞が、白血球の中のリンパ球の幼若なリンパ芽球に似ている。
一方、慢性白血病にも、「慢性骨髄性白血病(CML: Chronic Myeloid Leukemia)」と「慢性リンパ性白血病(CLL: Chronic Lymphoblastic Leukemia)」があります。
○慢性骨髄性白血病(CML):好中球の赤ん坊である骨髄芽球から、成熟好中球に至る各段階の細胞がそろって増えた病気。
○慢性リンパ性白血病(CLL):リンパ球の白血病細胞が著しく増えた病気。

急性白血病は、貧血や高熱、出血などの症状を伴って急激に発病しますが、慢性白血病は検診でたまたま発見されるくらいにゆるやかに発病します。診断されたときには、白血病細胞は身体の中に少なくとも1兆個はあり、これを治療によってすべて消滅させるのは並大抵のことではありません。運良く治療がうまくいき、自覚的にも、客観的にも症状が無くなっても、白血病細胞がまだ身体の中に潜んでいることが多いのです。100万から1億個程度の白血病細胞は患者の身体の中に残っているとされています。 従って、治ったように見えていても、しばらくすると再発してくるのが白血病によく見られる現象です。

 この他にも「成人T細胞白血病」などがありますが、ここでは省略します。また、以降は私が罹ってしまった「慢性骨髄性白血病」に絞って勉強していきます。


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白血病でなぜ死ぬのか

 いったい、なぜ白血病で死ぬことになるのでしょうか?白血病細胞が増え、血液1マイクロリットルあたり10万〜20万個ともなると血液の循環に支障が出てきます。「梗塞」と呼ばれる病気で、血液の流れが途絶し、血流によって酸素と栄養の供給を受けている臓器の機能が障害されるのです。例えば、心臓に血液を運ぶ血管が障害されると心筋梗塞となります。心臓の筋肉が死滅し、心臓の働きが停止してしまいます。白血病細胞が増えすぎることによる梗塞で特に重要なのは、脳梗塞と肺梗塞があります。腎臓の障害も起こり、いずれも死につながるたいへんな病態となります。しかし、治療法の確立した今日では、白血病細胞が増えすぎることによる腫瘍死というものは少なくなっているそうです。

 現在、白血病の死因としてもっとも多いのは、感染症と出血です。特に感染症が重大な死亡原因だそうです。

 白血病では、しばしば白血病細胞が血液を凝固させる物質を作り出します。すると、血管の中で通常はあり得ないはずの血液凝固が置きます。しかも局所的なものではなく、全身のあちこちの微少な血管で起こります。血管の中で血液が固まると、血流が途絶え、その血管が血液を送り込んでいる臓器に障害を引き起こします。それだけではなく、血液が凝固する際、血小板が使いつくされてしまううえ、血液を凝固させる働きのある凝固因子も無くなってしまいます。出血を止める働きをする血小板と凝固因子が減った結果、出血がおき、止まらなくなってしまいます。歯茎から出血したり、鼻血が止まらない、皮下に赤あざができたりします。が、こうした身体の表面での出血はあまり心配するにはおよばないそうです。それより� ��、身体の内部で起こる脳出血や消化器管での出血で、こうした出血が白血病患者を死においやる重大な原因です。最近では血小板輸血などの治療が奏功し、出血そのものによる死亡はかなり少なくなってきたそうで す。

 白血病の死因としてさらに重大なのは感染症です。感染症の原因になるのは、細菌、真菌(カビの一種)、ウイルスなどの病原微生物です。こうした病原菌は口や皮膚、粘膜、血液などから侵入します。私たちの身体は、これらをなるべく侵入した局所にとどめ、追放しようとします。この働きをするのが白血球です。白血病になると、正常な白血球が減ってしまっています。つまり、病原菌の侵攻を阻止する働きをするものがいないのです。すると、病原菌は身体の中に入り込み、肺炎、膀胱炎、胆嚢炎、腸炎、皮膚化膿症、髄膜炎などの感染症を引き起こします。病原菌が血液の中を流れて広がることもあり、これを敗血症といいます。白血病患者にとって致命的な感染症が敗血症です。これらの感染症に対しては、有効な抗生� ��質が数多く開発されていますが、強力な抗生物質が使用されればされるほど、その構成物質に抵抗するようになる「耐性」と呼ばれる現象が起こります。この耐性菌の代表がMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)です。耐性菌というのはなにもMRSAに限ったものではありません。数多くの病原菌が抗生物質に耐性を示す可能性があり、これらが白血病患者に重篤な感染症を引き起こすのです。

慢性骨髄性白血病

 慢性骨髄性白血病は、白血病の中でも古くから知られていたタイプで、脾臓が大きく腫れます。このことから、脾性白血病とよばれていました。当初は悪性腫瘍とはかんがえられていなかったようで、1845年にクレイジは血液が化膿したために、脾臓が腫れて死亡するものとして報告しています。慢性骨髄性白血病では、白血球が血液1マイクロリットル当たり、5万以上に増えなければあまり自覚症状は出てきません。従って、集団検診等で、たまたま白血球が多いと指摘を受けて病院を訪れることが多いのです。

 慢性骨髄性白血病では、染色体に特徴的な変化があり、9番と22番の染色体の一部分が互いに入れ替わっており、22番の染色体が短くなっています。こうした変化は慢性骨髄性白血病患者の95%以上にみられ、診断を決定するのに重要な根拠となっています。これはフィラデルフィア染色体(Ph染色体)と呼ばれ、1960年にペンシルバニア大学のノエルとハンガーフォードによって発見されました。


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 9番染色体の長腕にはABLというガン遺伝子があり、22番染色体にはBCRという遺伝子領域があります。それが染色体の転座によって合体してしまいます。ABLとBCRという、本来は遠く離れているはずの遺伝子が、染色体が転座することにより融合し、キメラ遺伝子を作ってしまうのです。このキメラ遺伝子が指令して作るタンパク質は、チロシンキナーゼ活性という細胞の増殖を促進する作用を発揮します。このせいで白血病になるのです。

 慢性骨髄性白血病は、検診で発見された時には、自覚症状もなく健康そのものに見えますが、ある時急性骨髄性白血病とまったく同じような性格になってしまいます。これを「急性転化」と呼びます。急性転化は、慢性骨髄性白血病と診断されてから3〜4年くらいしてから起きることが多いそうです。ひとたび急性転化を起こすと、半年以内で死亡することがほとんどのようです。こうなると、むしろ急性白血病よりも始末におえないくらいの難治性なので、慢性骨髄性白血病の治療は、白血病細胞を駆逐してしまうことと、急性転化を防ぐことに眼目が置かれています。

慢性骨髄性白血病の病期分類

【慢性期】
○疲労感、体重減少などの軽度で不特定の症状
○軽度の脾臓肥大
○白血球数増加、血小板数増加(正常値のままのこともある)
○未成熟な骨髄細胞数は10%以下

【移行期】
○慢性期と同様の症状であるが、程度がやや重い。
○脾臓肥大の可能性がある
○白血球数、血小板数のめまぐるしい変動
○未成熟な骨髄細胞数は10%〜30%

【急性期(急性転化)】
急性期とは、慢性骨髄性白血病が急激に末期状態へと変化していく病期のことをいいます。この急性転化は、多数の芽球が産出されるようになり、それ以外の骨髄細胞や成分が減少するために生じます。
○慢性期と同様の症状であるが、程度が重い。
○顕著な脾臓肥大
○白血球数の上昇また は低下
○血小板数減少
○芽球が骨髄細胞数の30%以上を占める
○顆粒球性肉腫(白血病細胞が蓄積したもの)が認められる。−もっともよく現れる部位は骨やリンパ部であるが、それ以外にも皮膚、脳膜(髄膜)、消化器に現れる。

慢性骨髄性白血病の治療

慢性骨髄性白血病は、脾臓を治療すれば治ると考えられていたようです。今世紀の初めには、ラジウム照射による治療や、脾臓に放射線を照射する方法がとられていました。しかし、白血病の原因は脾臓にあるのではなく、骨髄の中で腫瘍と化した白血病細胞が増え、それが全身に回ったものです。脾臓が腫れる のも原因ではなく、結果にすぎないのです。

 慢性骨髄性白血病患者の命が延びてきたのは、抗ガン剤が使われるようになってからのことです。1952年にはブスルファン、1960年にはハイドロキシウレアという薬が使用されるようになってからのことなのです。これらの薬剤は、5万から10万にまで増えていた白血球を、1万から3万にまで下げる効果があります。投与量や投与期間を調節すれば、患者は日常生活を送りながら、外来通院ですますことができます。しかし、抗ガン剤による治療には限界があります。というのは、慢性骨髄性白血病には、必ずといってよいほどPh染色体があります。いくら抗ガン剤を使ったところで、この染色体異常は決して消えたりしないからです。

 Ph染色体を持つ白血病細胞を駆逐させたい、という要請に応えたのが「骨髄移植」でした。骨髄移植が初めて行われたのは1939年で、オスグッドという人が再生不良性貧血の患者に血液型の一致した兄弟からの骨髄液を注入しました。しかし、患者は5日目に死亡しました。ポールディンという人がまとめたところによれば、1958年から1968年の10年間に203名が骨髄移植を受けましたが、成功したのはたったの11名しかいなかったそうです。しかも、このうち1970年まで生存したのはわずかに3名だけだったそうです。最初に骨髄移植が成功をおさめたのは1968年です。以来、世界のあちこちで行われるようになり、1985年末までに全世界で1万人以上が骨髄移植を受けています。日本では1975年に急性リンパ性白血病患者に初めて骨髄移植を実施され ました。1977年から、慢性骨髄性白血病に対し、骨髄移植が行われ出しました。骨髄移植はうまく運べば白血病の治療が望めますが、「骨髄提供者(ドナー)の確保」の問題と、GVHD(移植片対宿主病)という現象があるという問題を孕んでいます。


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 リンパ球などの生物細胞は、細胞の増殖や機能を調節する多くの種類の物質を作り出します。こういった、細胞が産出し、さまざまな機能をもつ生理的活性物質をサイトカインと称します。こうしたサイトカインを使ったガンの治療が試みられており、白血病の治療で効果のあるものはインターフェロンです。1983年にアメリカのタルパッツが、初めて慢性骨髄性白血病の治療におけるインターフェロンの有効性を発表しました。タルパッツらは、51人の患者にインターフェロンαを投与してみました。すると、36人に血液の所見で改善が見られました。このうち20人でがPh染色体をもった白血病細胞の数が減少できました。しかも、7人がPh染色体をもった白血病細胞が完全に無くなったのです。インターフェロンによく反応し、Ph染色体を 持つ白血病細胞が消えた患者ほど長く生きられることがわかってきました。インターフェロンは、ウイルスなどの刺激を受けて細胞が作り出す、分子量2万前後のタンパク質として発見されました。その性質が検討され、ウイルスを抑制する作用のほか、免疫力を活性化したり、細胞の増殖を抑制したり、ガン細胞を抑制するなどの作用が認められています。

以上のことから、慢性骨髄性白血病の治療法の選択は以下のようになります。

慢性骨髄性白血病(慢性期) 化学療法(ハイドロキシウレア)

50歳以上の場合:薬物療法(IFN+ハイドロキシウレア)
50歳未満の場合:  家族ドナーあり&45歳未満:骨髄移植
 家族ドナーなし、家族ドナーあり&45〜49歳:薬物療法(IFN+ハイドロキシウレア)

治療開始6ヶ月後血液学的効果判定
非完全寛解の場合
ドナーなし:薬物療法(MCNU、ハイドロキシウレア、ブスルファン、IFN)
家族・非血縁ドナーあり:骨髄移植
血液学的完全寛解の場合
薬物療法(IFNを優先)
治療開始9〜12ヶ月後に染色体検査による細胞遺伝学的判定(Cytogenetic Response)
非寛解 or MR:家族・非血縁ドナーがいれば骨髄移植
細胞遺伝学的CR or PR (or Mr):薬物療法を続行
以後、半年ごとに染色体検査による細胞遺伝学的判定(Cytogenetic Response)
非寛解 or MR:家族・非血縁ドナーがいれば骨髄移植
細胞遺伝学的CR or PR (or MR):薬物療法を続行 移行期になれば、どの時期でもドナーがいれば骨髄移植

血液学的寛解判定基準


完全寛解 1.白血球数10,000/μl以下、かつ白血球分類の正常化
2.臨床症状の消失
3.血小板50x10*4/μl以下
4.脾種(触診)の消失
の全項目を満たすもの
部分寛解

A.白血球数10,000/μl以下となるも、
1.幼若球残存が1%以上
2.臨床症状の残存
3.脾種(触診)の残存(ただし、50%以上の縮小あり)
のうち1項目以上を有するもの
B.白血球数10,000/μl以上、20,000/μl未満にとどまったもの

非寛解 完全寛解、部分寛解のいずれにも該当しないもの

細胞遺伝学的効果(Cytogenetic Response)判定基準(染色体20個分析中)


complete CR (CCR) Ph染色体の消失が少なくとも1回以上確認されたもの
major partial CR (Major PCR) Ph染色体の出現が抑制されて5〜34%になった場合が、少なくとも1回確認されたもの(消失度66〜95%)
minor partial CR (Minor PCR) Ph染色体の出現が抑制されて35〜95%になった場合が、少なくとも1回確認されたもの(消失度5〜65%)
no response (NR) Ph染色体比率が常に100%であったもの(消失度0%)

 なお、2001年初頭の段階で日本でも治験の始まっているGLIVEC(STI-571)が慢性骨髄性白血病の治療の新薬として注目を集めています。

なぜ白血病になったのだろう?

人は、白血病だけでなく一般にガンと呼ばれる病気になってしまうのは何故でしょう?なぜ、自分は白血病になったのだろう?これは、ボクが慢性骨髄性白血病に罹ったことがわかってから、喉に小骨がささったように、ずっと気になっていたことです。これがわかったからと言って、病気が治るわけではないし、何がどうなることでもないのですが。


 白血病の原因として有名なものは「放射線」でしょう。放射線には、紫外線や極超短波、電波なども含まれますが、一般には電離放射線を指すことが多いようです。電離放射線は、物質を通過するとき、直接あるいは間接的に、分子を電離する性質のあるものです。電離放射線は、エネルギーが高く、組織の原子と衝突した後、複雑な連鎖反応をへて遊離基(フリーラジカル)という新しい分子が発生します。この遊離基は反応性が強く、生物のDNA、RNA、タンパク質などに数秒から数十年間にわたって影響を及ぼすらしいのです。特に、人間にとって大切な遺伝情報がのっているDNAが障害された時に影響は甚大です。放射線は、染色体を切断する作用が強く、切断された染色体が別の切断片と� �がいに入れ替わって結合することがあります。これは染色体の「転座」と呼ばれます。

 1945年に広島と長崎に原爆が投下されました。広島では13ヶ月後に、長崎では3ヶ月後に白血病患者の発生が報告されました。広島ではさらに、2年後の1947年頃から白血病患者が増え、1950年から1953年に発病がピークに達し、一般国民の10倍以上にものぼりました。白血病のタイプでは、急性白血病、慢性骨髄性白血病のすべてが発病したようです。特に広島では慢性骨髄性白血病の発病が多い、と報告されています。

 一方、化学物質がガンを引き起こす可能性があることは200年以上も前からわかっていました。1775年、イギリスのポットは、煙突掃除人に陰嚢ガンが多いことを報告しています。当時の煙突掃除人は、煤にまみれた服を取り替えず、風呂にもろくに入らなかったようで、煤の中に含まれる化学物質と長く接触していたためガンになったと考えられています。19世紀にはいり、ヨーロッパでは工業が発達するにつれ、化学物質と接触する労働者にガンが多く発生しました。コールタールを扱う労働者には皮膚ガン、染料関係者には膀胱ガンが多く見られました。

 数多くある化学物質の中で、白血病を発生しうる物質としてはっきり認知されているのは芳香族化合物のベンゼンです。19世紀末からベンゼンが白血病を誘発する可能性が考えられており、ベンゼンを扱う産業従事車の調査によると、白血病による死亡者は、一般人の5倍にのぼったそうです。なかでも、慢性骨髄性白血病が一般人の10倍だったそうです。ベンゼンが白血病を誘発するのは、骨髄の造血幹細胞のDNA及びRNAの合成を阻害することによります。ベンゼンは身体に入ると、肝臓でフェノールに分解されます。そして一部は骨髄でオルトベンゾキノン、キノン、パラジフェノキノンに変換されます。このフェノールから生じた代謝産物がDNAを障害するのです。

と、いうことなのですが、どれも自分にとっては身に覚えのないことばかりです。広島や長崎の出身ではありません(両親も)し、放射線を浴びたり、化学物質を扱うような仕事もしていませんでした。何か強いストレスがあって、免疫力が落ちて..とかいうようなことも想像したりもするのですがいずれも可能性としては否定できないものの、これが原因だということは特定できませんね。

【2005年6月25日追記】 国立がんセンター がん予防・検診研究センターより引用

■がん予防指針
□たばこを吸う人は禁煙。吸わない人も、他人のたばこを可能な限り避ける。
□適度な飲酒。具体的には、日本酒換算で1日1合(ビール大瓶1本)程度以内。も ともとあまり飲まない人は無理に飲まない。
□野菜・果物を少なくとも1日400グラム取るようにする。例えば、野菜は毎食、 果物は毎日。
□塩蔵食品・塩分の摂取は最小限。具体的には、食塩として1日10グラム未満、塩 辛や練りうになどの高塩分食品は、週1回以内。
□定期的な運動の継続。ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動、週に1回 程度は汗をかくような激しい運動。
□成人期での体重を維持(太り過ぎない、やせすぎない)。具体的には、BMI(体 重Kg÷身長m÷身長m)で27を超さない、20を下回らない。
□熱い飲食物は最小限に。熱い飲料は冷ましてから飲む。
□肝炎ウイルス感染の有無を知り、その治療(感染者)や予防(未感染者)の措 置をとる。


■生活習慣とがんのリスク評価
□確実にリスクを上げる
 たばこ:口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、 子宮頚部、骨髄性白血病
 他人のたばこの煙:肺
 肥満:食道、大腸、乳房、子宮体部、腎臓
 アルコール:口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房
□あげる可能性が大きい
 保存肉:大腸
 塩蔵食品・塩分:胃
 熱い飲食物:口腔、咽頭、食道
□下げる可能性が大きい
 果物、野菜:口腔、食道、胃、大腸
 運動:乳房
□確実に下げる
 運動:結腸



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